重荷?

ある生物学者が、その体の割にはあまりにも大きな麦わらを運ぼうとしている一匹の蟻を観察していた時の話です。

見ていると、蟻は地面の大きな割れ目に差し掛かりました。蟻はしばらくの間、じっとその状況を考察しているかのようでしたが、そのうち、おもむろに自分が運んでいたその麦わらを割れ目に渡すと、その上を渡って行ったのです。

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医師のランビエ氏は、長期にわたってアフリカに滞在し、原住民に奉仕する生活を送っていましたが、その間に橋のない急流を何度もわたらなければならなかった時のことを次のように話してくれました。

「そのような危険な川を渡る最善の方法とは、出来るだけ重い石を探して肩にかつぎ、それを重しにして川を渡るのです。その石の重さによって、川底にしっかりと足をつけておくことが出来、流されることなしに川を渡ることが出来たのです。」

彼はこの方法を原住民から聞いたのだそうですが、実に賢明な生活の知恵と言えます。

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これらの話から、私達にとって一見、重荷に感じる数多くの出来事は、実は進み続ける為に必要不可欠なものであることに気付かされます。

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