この話は、難破船の唯一の生存者が、ある無人島に打ち上げられた時のことです。
やがて、必死の思いで何とか小屋を建ててその中に住み、来る日も来る日も救出を願って、水平線の彼方を眺めては、通り過ぎる船がるかを見守っていました。
彼は絶望的になり髪に祈らずにはおれませんでした・・・
そんなある日、食料を調達しに出かけた留守に、あれほど苦労して建てた小屋が燃えてしまいました。
わずかな持ち物も一切、灰になってしまったのです。
まるで最悪の事態が訪れたかのようでした・・・
彼はあぜんとなって、全ての望みがなくなってしまったように感じました。
けれども、その最悪の事態と思えたことが、実際には最善のことだったのです。その翌日に何と、船がやってきたのです。その船長はこう言いました。
「私達はあなたが出した煙の信号を見つけたのです。」
私達は明日のことを知ることは出来ません。でも、経験者の話を聞けば聞くほど、最悪の試練と思えたことが、実は次への勝利のステップであると知るのです。