アルブレヒト・デューラー

デューラーは幼少の頃から絵描きにあこがれ、やがて家を離れて偉大な先生の下で学び始めました。

そこで、同じ志しを持つ友人と出会い、二人はルームメイトになりました。貧乏暮らしをしながら学業に励むのは並大抵の事ではありませんでした。

アルビレヒトの友人は、君が学ぶ間、ぼくが働こうと申し出ました。アルブレヒトの絵が売れ始めたら、今度は自分が学ぶ番にすればいいと。

アルブレヒトは、友人の強い説得に負けてそうすることに決めました。

それから、友人が二人のために長時間働いて生活費を稼ぎ、アルブレヒトは熱心に芸術の勉強に打ち込みました。

ついにアルブレヒトの木製の彫像が売れて、友も絵画に戻れる日が来ました。ところが、重労働ゆえに友の指は硬くねじれ、思うように動かなくなってしまっていたのです。アルブレヒトは、友の身の上に起きたことを思い、悲しみに沈みました。

ある日、いつもより早く帰宅すると、友の声がしました。のぞいてみると、友は疲れ切ってねじれた手を合わせて祈っていました。

「祈りのために合わされたその手を描くことで、全世界に僕の感謝を示そう。」

友が、かつてのような巧みな芸術的タッチを二度と取り戻せないことを悟ったアルブレヒト・デューラーは、そんな思いがわきました。

友への感謝にあふれるその素晴らしい絵は、世界的に有名になりました。ですから、私達は、その美しい絵と共に、感謝と兄弟愛についての美しい実話という恵みに預かっているのです。

アルブレヒト・デューラー Albrecht Dürer(ドイツ ルネサンス期の画家、版画家、数学者 1471-1528)

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