愛の物語

コルクとクジラ


小さな茶色のコルクがクジラの目の前に落ちた

クジラは尾ひれで荒々しくそのコルクを叩き付けた

ところがその一撃を物ともせずに、コルクは素早く浮上して、

またその目の前に、何事もなかったかのように浮かんだのだ。

コルクはクジラにこう言った

「僕の事を、叩き付けたり、はじき飛ばしてみても

君は僕の事を決して絶対に沈めっぱなしにはできないよ。

だって僕の体は沈んでも必ず元気よく

浮かび上がってくるもので、できているんだから。」

目次へ戻る