ホテル

アメリカ、フィラデルフィアに小さな三流ホテルがありました。

ある晩、そのホテルに疲れ切った様子の年配の二人連れがやって来ました。フロントに行って夜勤のフロント係に、夫はせがむようにして尋ねました。

「お願いです。部屋がないなんて言わないで下さい。妻と私は泊まる場所を探して、町中ずっと歩いてきたのです。ここで大集会が開かれているなんて知らなかったんです。私達がいつも泊まるホテルは一杯でした。もう真夜中を回っていますし、二人ともくたくたに疲れているんです。眠る場所がないなんて、お願いですから言わないで下さい。」

フロント係は二人のことをしばらくじっと見つめてこう答えました。

「ここにあるのは私の部屋だけで、後は全部ふさがっています。私は夜勤で夜働き、昼間眠ります。他の部屋みたいに良くはありませんが、清潔な部屋です。あなたがたお二人を今夜、私のお客様としてお泊めいたしましょう。」

翌朝、朝食の席で、その夫婦はウェイタ-に伝言して、昨日の夜勤のフロント係に重要な用件で会いたい旨を知らさせました。

夜勤のフロント係は入ってくるとすぐに二人を認め、そのテ-ブルにつき、よく眠れたかどうかを尋ねました。二人は心の底から感謝しました。そして夫が以下の言葉でフロント係をあっと言わせたのです。

「あなたは、このようなホテルにいるにはもったいないくらいの立派な人です。ニュ-ヨ-クに私が、豪華な超一流ホテルを建ててあげますから、そこの総支配人になるのはどう思いますか?」  

フロント係は一体何と言ったらいいのか分かりませんでした。この二人はきっと頭がおかしいのではないかと思ったくらいでした。

そしてとうとう、うねりながら「素晴らしいですね。」と答えました。すると、客は自己紹介をしたのです。「私はジョン・ジェイコブ・アスタ-です。」

そうして、ワルドルフ・アストリア・ホテルが建てられ、その夜勤のフロント係はその後何年にも渡って、世界で一番良く知られたホテルの経営者となったのでした。

1976年、ニュ-ヨ-クの47階建てのワルドルフ・アストリアは、その1、900の客室に、75万人を宿泊させました。

 

義務感があると、私達は良い仕事をする。

でも、愛があるなら、立派な仕事をする。

2014年活動報告

初めての電球

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